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主に長編BL小説置き場です。BLの意味が分らない、または嫌悪感がある方は速やかにブラウザバックでお願いします。

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――いつまでも ずっと――<27>

 俺は直視するのに我慢が出来ず、首を横に思いっきり振ると、力一杯、身体を揺らした。
「わ! バカ!! そんな事したらっ……!!」
 坂上が制する間もなく、椅子ごと床へと叩きつけられた。
 手足が引っ張られ激痛が走る。
 それでも、それを見るよりはずっとマシだ。
「何をしている淳也!! しっかり見張っていろと言った筈だっ!!」
 興が殺がれたのか、吉岡は怒りを坂上にぶつける。
 溜息を吐きながらこちらに近寄り、坂上に平手打ちした。
「す、すみません吉岡様……」
 チッと舌打ちし、坂上の首元を掴み
「使えない奴だ!! 今度そんな事があったら捨てるぞ!!」
 と、まるでゴミでも見るような、蔑んだ視線を落とす。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
 坂上は怯えきって、震え出した。
 その様子で少し怒りが収まったのか、掴んでいたシャツを放すと、今度は俺に、身も凍て付く様な視線を投げ、屈み込んだ。
「――それに、お前も往生際が悪いっ!!」
 髪を鷲掴みにされ、グイッっと勢いよく頭を引き上げられた。
 ブチブチと嫌な音を立て、何本か毛が抜ける。
 痛みに耐え、吉岡を睨みつけると、唾を吐き掛けられた。
「……全く、クソ生意気な奴だ。黙って見ていろっ!!」
 声を荒げる吉岡に、坂上は震えながら目を丸くして凝視する。
「吉岡様が……こんなに怒る姿を見るのは初めてだ……」
 小さな声で、独り言のように囁いた。
 坂上のその言葉に、俺は、吉岡の冷静さを欠いた行動だと気が付く。
 坂上に対しても、普段は冷静で温厚なのだろう。多分そう言うことだ。
 吉岡からは俺に対して何か、ライバル心と言うか、嫉妬が見え隠れしているような気がしていた。
 特に隼人を名前で呼ぶな、などと怒る辺り、隼人に対しての執着が伺われる。
 それに隼人が吉岡を好きだとは、とても思えなかった。
 頬を上気させているのは吉岡だけで、隼人はまるで人形のように虚ろに、どこを見るとでもなく視線は固定されたままだ。
 やはり隼人は何か弱みを握られて……考えがそこに辿り着いた。
 それならば、辻褄が合う。
 吉岡は、俺が無反応なのが気に入らないのか、更に声を荒げた。
「お前、それ以上何かしてみろ。今度はお前も薬漬けにしてやるっ!!」
 吉岡の憎悪に満ちた声が部屋中に響く。

 その時、部屋の電話のベルが鳴った。
 チッと舌打ち混じりに、俺の髪を放ち「……淳也出ろ」と、低い声で指示する。
「は、はいっ!!」
 坂上は電話に出ると、ぺこぺこと頭を下げていた。
 吉岡はその様子を見て「何だ?」と、坂上に声をかける。
 坂上は受話器に手を当てて、おずおずとしながら答える。
「あ、フロントからで……。下の部屋からパーティなら他所でしてくれ、と、苦情が入ったそうでして……」
 その会話に敏感に反応したリチャードは、思いっきり身体を揺すると、俺と同様に床に倒れこみ、派手な音を響かせると叫び声をあげた。
「んなっ!!」
 吉岡は慌てて、リチャードのところに駆け寄り、その髪を掴むと声を荒げながら
「貴様っ!! 死にたいのかっ!!」
 吉岡はよほど慌てていたのだろう、その声は電話に筒抜けだったようだ。
 坂上が蒼白になりながら、裏返った声で吉岡に声を掛ける。
「よ、吉岡様!! フロントの人が、様子を伺いに来ると……」
「お前がとっとと電話を切らないからだっ!! クソがっ!!」
 吉岡は苛立ちながら、リチャードを掴んでいた手を離すと
「おい、淳也! 手伝えっ!!」
「は、はいぃっ!!」
 坂上は慌てて受話器を下ろすと、吉岡の下に駆け寄った。
「取りあえずは、コイツ等をこのまま見えない場所に移動する。まずは椅子を起こせ。そして、あの大きいボーイは二人じゃないと無理だ。蓬田は俺がやる。全く、手間を掛けさせやがって!!」
 怒りに満ちた表情で、俺の腹を思いっきり蹴飛ばし、短い溜息をつく。
 まともに喰らって、息が出来なかった。ゲホゲホと咳き込んでいると、吉岡の後ろで、あの懐かしい声がする。



               ――to be continued――


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