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主に長編BL小説置き場です。BLの意味が分らない、または嫌悪感がある方は速やかにブラウザバックでお願いします。

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――いつまでも ずっと――<26>

 鼻の辺りにツンとした刺激を感じて、目を覚ました。
「――う……ん?」
(俺は……どうした? リチャードは……)
 どれ位時間が経過したのだろうかと、朧気な意識の中、顔を上げた。
 すると吉岡が嫌な笑みを浮かべながら、目前に顔を寄せていた。
 意識がはっきりとし、吉岡に掴みかかろうとした。
 が、しかし、途端に手足に痛みが走る。
「ぐっ!!」
 見ると椅子に縛り付けられ、口には布が当てがわれ、言葉も発せなかった。
 もがいてみるが、ガタガタと嫌な音を立て椅子は揺れるだけで、解けそうも無い。
 同じようにリチャードも隣に並んでいる。
 俺と目が合った途端、リチャードは俯いてしまった。
 きっと誤解されてしまったに違いないと思い、吉岡を睨みつける。
 ニヤリと口の端だけを上げ、吉岡は不敵な笑みを浮かべると、ポケットに手を入れたまま上体を起こす。
「フッ、これは、これは。素敵なギャラリーがお揃いで」
 パンパンと拍手をしながら、馬鹿にしたように嘲笑い、俺達を見下す。
 いかにも勝ち誇ったような、その吉岡の態度に、怒りが込上げる。
 しかし、それ以上に何も出来なかった上に、リチャードまで危険な目に遭わせてしまった自分に憤りが溢れ出し、悔し涙が零れ落ちた。
「いいザマだな、蓬田涼太。これからたっぷり、隼人が俺の恋人だって事を教えてやるよ」
 吉岡は、舌なめずりをしながらシャツのボタンを、目の前で外していく。
 肌蹴たシャツから覗く吉岡の身体は、鍛え抜かれたものだった。
 細身に見えたが、実は引き締まった無駄の無い、筋肉の固まりだったのだ。
 俺にそれを見せ付けると、満足そうに笑みを浮かべ、ベットへと向かって行った。
「――美しい、相変わらず……」
 坂上の声がして視線を移すと、俺の斜め後ろに立ち、頬を上気させて物欲しそうな表情で吉岡を眺めていた。
(コイツもゲイか? だけど前は女好きだったはず……吉岡は相手にしてないようだけど、コイツは吉岡の一体何なんだ?)
 吉岡の動向に伴い視線を移動させると、ベットの上には全裸に剥かれた隼人がいた。
 肋骨が浮き出て、見るも無残なその姿に、俺は目を背けた。
 すると、強制的に頭を捕まれ、視線を戻される。
「ほら、ちゃんと見ないと。現実ってやつを、さ」
 俺の頭を押え付けながら坂上は、俺の横に顔を並べ、ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべている。

 吉岡はシャツをその場に脱ぎ捨てると、隼人に覆い被さってキスを落とす。
 隼人は人形のように身動ぎもせず、ただ天井を見つめている。
 その様子に俺は、違和感を感じる。
 隼人が本当に吉岡の恋人ならば、あんな表情はしない。
 多分、俺に向けていたように、熱い眼差しを相手に送るだろう。
 それに先程の隼人の涙、俺に向けて掌を宛がおうとした行動……。
 やはり、何かが引っかかる。
 だが、坂上は、そんな俺の考えとは裏腹に
「もう、桜井は、お前に用は無いってよ」
 ニヤニヤと変わらず、嫌な笑みを浮かべている。
 すると、吉岡がそれを制するように「淳也……」と、低い声で唸るように言い放ち、坂上を射抜くような眼差しで睨んだ。
「――っ、あっ、すみません、吉岡様……。桜井『様』でした……」
 坂上は怯えたように震え、しょぼくれて項垂れている。

 それにしても一体、コイツら本当にどんな関係なんだ、と疑問に駆られる。 
 坂上は、吉岡の事を様付けで呼び、その上、隼人の事まで様付けで、召使のように振舞うなんて、まるで陳腐なご主人様ごっこだ。
 それに、それを強要してこんな事を目前でするつもりの吉岡の精神は、どうかしている。
 本来ならこんな秘め事は、誰にも見られたくない筈だ。
 いや、見られると興奮が増す……と、いう性癖があるのか?
 だからギャラリーとして、坂上を置いている、とか?
 いずれにせよ、吉岡はかなりの変質者で、完全にネジが飛んだ狂人である事は、間違いない。

 隼人はそれで良いのだろうか?
 あいつは本当に変わってしまったのだろうか……。
 コイツらと過ごす内に、正常な判断が出来なくなってしまったのだろうか?
 それとも薬のせいなのか……。
 疑問が次々に湧き起こる。
(――だけど、そんな隼人の姿なんか……見たくない……)
 ぎゅっと硬く目を瞑った。
 しかし、微々たる抵抗を虚しく、目を無理やりこじ開けられる。
「ほら、ちゃんと見てやれよ。吉岡様に抱かれて悦ぶ、桜井様の姿を」
 目をこじ開けられたまま顔面を固定され、身動きが取れなくなる。
「っーーーっ!!」
 唸ることしか出来ない自分が情けなくなり、涙が滲む。
 しかも目前では隼人があられもなく肌を曝け出し、今にも吉岡に抱かれようとしている。
 これが生き地獄以外の何だというのだ。
 いっそこのまま殺してくれた方がマシだ……。
 悔しさと情けなさで、涙が頬を伝った。
「あれ? そう言えばお前、片目じゃなかったっけ?」
 坂上は俺の顔をしげしげと眺めながら、吉岡に聞こえないような小声で話し掛ける。
「まぁ手術でもしたのか、別にどうでも良いけど。それにしても、吉岡様の想い人が桜井で、お前が桜井とくっついてたっての、凄く驚いたなぁ、マジかよって思ったね」
 ククッと笑うと坂上は、俺を蔑んだように見る。
 こんな奴にまで蔑まれると、消えてしまいたくなる程に屈辱だ。
 悔し涙が、後から後から零れ落ちていく。
 そんな俺の様子を見て、吉岡は満足そうな笑みを浮かべる。
 そして、隼人を上から舐め回すように眺め、溜息混じりに「可愛い、隼人」と、呟き、
その唇へと重ね、長い間、何度もキスを繰り返す。
 こんなにも愛し合っているのだと言わんばかりに、執拗に何度も何度も……。
 ようやく離れた吉岡は、うっとりと瞳を潤ませながら隼人を見つめ
「ああ、本当に可愛いよ、隼人……。さあ、あの分からずやに教えてやろうじゃないか?俺達が本当に愛し合っているって事を」
 吉岡は隼人の身体を抱き起こし、俺の反応を愉しむように視線を投げながら、胸の辺りを弄り隼人が一瞬身を捩ると、そこを執拗に責め立てる。
 隼人の苦痛とも、熱を帯びたとも取れる表情を目の当たりにして、気が動転する。



                   ――to be continued――


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