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お話倉庫

主に長編BL小説置き場です。BLの意味が分らない、または嫌悪感がある方は速やかにブラウザバックでお願いします。

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――いつまでも ずっと――<18>

 俺は急いで車に戻ると、携帯からパソコンのメールをチェックした。
 カール宛に書いた内容をチェックし、先程言われたメモの場所を調べると、慌ててカールに電話を掛ける。
『……ハイ、涼太。どうした? こんな時間に……何かあったのか?』
 カールは電話で起こされたのだろう、アルトボイスより少し高めの声が掠れていた。
「ごめんカール、朝早くから……メール読んだ?」
『ん? いや、まだ……』
「そっか、それないら良いんだけど、悪いけどさ、メールに書いた内容で『その人は俺の知り合いで連絡したいからと、その友達に伝えて欲しい』って書いたんだ。それを取り消して欲しいんだよ」
『ああ、それは構わないけれど……どうかしたのか?』
「今は仮説の話しか出来ない……だけど、その知り合いに俺の行動が知られると、不味い状況になったんだ。だから詳細が分かったらまた連絡するよ」
『そうか、分かった。何があったかは知らないけど、もしこっちに来る事があれば、宿の予約入れとくよ?』
「ありがとうカール。まだそっちに向かうかは分からないけど、頼りにしてるよ!」
『任しておけ! 涼太』
 会話を終わらせようと思った時、ふと、老婆の言葉が過ぎった。
「あ、そうだ!! ブラジル方面のリオ・デ・ジャネイロ州の方に、極楽鳥の宿って名のホテルがあるらしいんだけど、何か知らないかな?」
 その手の名前のホテルなんか、きっと沢山あるだろう。それに、カールの住む地域は北欧辺りだから、知る訳ないよな、と、ダメ元で聞いてみた。
『リオ・デ・ジャネイロ? ああ……確かにあるよ』
「え、本当に!?」
『うん。オレ、小さい頃、南米に住んでいてさ。叔父さんが経営してるホテルが同じ名前だけど……それが?』
 俺はこの偶然を、心から喜んだ。気が高揚し、思わず声が大きくなる。
「カール!! 悪いけど至急調べて欲しいんだ!! そこに邦人が泊まってるか、内密に聞いて欲しい!! 出来れば名前も」
『分かった、何か手掛かりが掴めたようだな。それじゃまた後で連絡を入れるよ』
「頼んだよ、カール! 俺も、至急そちらに向かう手配するよ」
『グット・ラック! 涼太』
「ありがとう!! カール」

 携帯の通話ボタンを切り、車のエンジンをかけると、自宅への路を気も漫ろに運転する。
(あのお婆さん本物だ、凄い……。こうも言い当てられると、背筋が寒くなる……。それにしても、吉岡さんが敵? それに監禁されてるって……まさか、そんな……)
 嫌な考えが頭を掠める。あんなに良くしてくれた吉岡さんが敵だとは考えたくなかった。
 しかし、麻里が嘘をついているとは、到底思えない。あのお婆さんにしても詳細は知らないから、嘘を言う理由も無い。
 消去法で行くと、やはり疑いは吉岡さんにかかる。
 そう言われてみれば、おかしな所はあった。例え優秀な部下だったにしても、あそこまで親身になって探すだろうか……。仕事の関係だけならば、そこまでする必要が無い。
 それに、俺にまであんなに親切にする必要は、無かったんじゃないか?
 何か……そう、例えば、隼人と立場が逆だったら?
 そうだ……吉岡さんが企業スパイで、隼人がそれを知ってしまったとしたら、間違いなく隼人は上司と言えども、警告するだろう……。
 危機感を抱いた吉岡さんが、隼人を監禁しても何ら不思議ではない。
 そして俺が見つけ出せば、隼人は会社に告発するだろう。裁判だって起こす筈だ。
 そうなったら、吉岡さんの社会的地位は奪われる事になる。

 吉岡さんは、俺の動きを監視していたのか? それならば納得出来る。
 俺の動向が分かれば、隼人を見付けられない様に隠すのは容易い事だ。
 俺を丸め込んでしまえば……。
 でも……出来ればそんな事、あって欲しくない。
 信号待ちで、首を横に振る。
 今なら、その仮説を本当かどうか、確かめる事が出来るかも知れない。



               ――to be continued――
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