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主に長編BL小説置き場です。BLの意味が分らない、または嫌悪感がある方は速やかにブラウザバックでお願いします。

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――いつまでも ずっと――<16>

 街中の一角にある、何処も同じ馬鹿っ高い駐車料金のパーキングに車を止め、人が溢れんばかりに行き交う雑踏の中、俺は、人を避けながら目的地に急ぐ。
 途中、若い女性ばかりが集い、長蛇の列を作っていた。
 視線を移すとその先には、小さな看板が掲げてあり、占いの文字が記してある。
 俺は、下らない事に時間を費やすものだと半ば呆れつつ、その横を通り過ぎる。

 一通り買い物を終え、車に向かう為に、またその横を掠めようとした瞬間だった。
「ちょっと、お兄さん!! 待っておくれ!!」
 何か引っ張られるような感じがして見ると、背丈の小さな老婆が、俺のジャケットの端を掴んで、呼び止めていた。
「あの……俺、急いでますから……」
 見るからに怪しい出で立ちをした老婆に、俺はそう言うと立ち去ろうとした。
「お待ちなさいな、お兄さんさ!! こっちは商売あがったりなんだよ! さっきからアンタの後ろに憑いていた女の子が煩くてね! 勘弁して欲しいのはこっちなんだよ」
 俺は訳が分からず、眉間に皺を寄せながら、その老婆を見る。
「お兄さんさ、さっき店の前を通ったんだろう? その時からその子が私の耳元で『涼ちゃんを引き止めて!! 話をして!!』って、何度も何度も煩いんだよ。お陰でこっちは集中出来なくて、他の人の占いどころじゃ無いんだよ、分かるかい?」
 俺は驚き、目を瞠った。何故俺の名前を知ってるんだ、と疑問に思う。
 しかし、何かの詐欺かも知れないと思い「そんな女の子なんて、知らないですよ」と、シラを切り、やり過ごそうとした。
 その老婆は溜息を吐き、誰も居ない所に向かい視線を落とすと、独り言を呟いた。
「この子、可愛そうに……。元、天使だったんだろうねぇ、もう羽がボロボロでアンタの前にすら姿を現せないほど衰弱してるよ……。ああ、分かったから、ちょっと待ってておくれ、麻里ちゃん。アンタの旦那様は、相当、疑い深いみたいだからねぇ」
 その言葉を聞いて俺は、頭から背筋に向かって、電流が流れたような衝撃を受けた。
 余りの唐突な出来事に、無言で老婆を凝視していた。
「やれやれ……やっと話を聞く気になったみたいだね、お兄さん。今、他のお客さん帰すから、ちょっと此処で待ってておくれ」
 老婆は、しっかりとした足取りで小さな看板の店に立ち、長蛇の列に頭を何度も下げていた。そして一度店に戻ると、手に何かを持って配っている。
 それが終わると、準備中の札をドアの前に掲げた。
 すると長蛇の列は、まるで蜘蛛の子を散らすように、どこともなく消えていった。
 しかし、二人組みの女子高生と思しき一人が俺を睨み付け、肩に力を入れながら、これ見よがしに、俺の横をゆっくりと通り過ぎながら大声で喚く。
「ったく!! 信じらんなーいっ!! 遠くからわざわざこんな所まで来たのにィィ!! ここのおばぁちゃん、良く当たるですんごい有名だから、予約大変だったのにさぁー!! ホント、マジ勘弁だよねっ!! 超ムカツク!! 何ぃ、この人だけ、ずるくない?」
 不満を俺にぶち撒けてもスッキリしない、そんな表情をする。
 それに賛同してか、相方も俺をひと睨みすると、鼻息を荒くしてフン、と、顔を横に背け、もう一人と目線を合わせながら、これまた、周りに響くような声で話す。
「ホント、信じらんなーい!! 私達すごく楽しみにしてたのにぃ!! こんな割引券ぐらい
じゃ割に合わないよねっ!!」
 何事かと、周りの人が注目する中、老婆がちょこちょこと早足で、その娘達に近寄ると何か紙切れのようなものを差し出し、日にちを記入していた。
 それを見た二人の表情が変わる。
 怒りに満ちた表情をしていた二人だったが、途端に笑顔になり、声までもが変わった。
「やった!! お兄さんのお陰で得しちゃった!! サンキュ!!」
 キャッキャとはしゃぎながら、長い髪を揺らすと、足早にその場を去っていった。
 老婆は「やれやれ」と、短く溜息を吐き、俺を見上げた。



               ――to be continued――


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