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お話倉庫

主に長編BL小説置き場です。BLの意味が分らない、または嫌悪感がある方は速やかにブラウザバックでお願いします。

――いつまでも ずっと――<2>


 日曜に、何度となく隼人に連絡を入れても繋がる事は無く、俺は更に不安を感じた。
 ただ焦燥感だけが押し寄せる。
 会社に問い合わせる事が出来る月曜になるのが、やたら長い時間のように感じた。
 こんな事になるなら、ホテルの名前と電話番号聞いておけば良かったと後悔し、自分の不甲斐なさに腹を立てつつ、隼人の残り香が漂うベットに潜り込みながら、眠れない夜を過ごした。

 そして、ようやく夜が明けた。
 このまま夜が明けないかと思うほど、長い時間だった。
 朝食を早めに済ませ、時計との睨み合いを繰り返し、就業時間前に自分の会社に連絡を入れて休みが確定すると、俺は隼人の会社が始まる時間を待ち、電話する。
 大企業に電話するのは、いつも緊張するなどと思っていると、コール音が途切れた。
『はい、お世話になっております、三共栄物産株式会社でございます』
 女性の声が聞こえ、一安心すると、用件を話す。
「あ、すみません、私、蓬田と申しますが、プロジェクト本部、第一課の桜井課長さんの呼び出しを、お願いしたいのですが……」
『プロジェクト本部、第一課の桜井課長ですね? 承知致しました。少々お待ち下さい』
 オルゴールの音が鳴り、暫く待たされる。
 俺は、隼人が電話口に出なくても、そこの部に電話が回されると思っていたのだが、意に反して、また同じ女性の声がした。
『お待たせ致しました、蓬田様。大変申し上げにくいのですが、第一課の桜井課長は先週付けで退職しました。ご迷惑をお掛けして、申し訳御座いません。ご用件などありましたら、他の者が代わりに承りますが……』
 俺は、その言葉の意味が分からず、呆然としていると
『もしもし? 蓬田様??』と、不審げな声で女性は問いかける。
 はっと我に返り
「え……? 俺、聞いてないですよそんな事!! はや……兄……あ、いや、桜井は海外出張するって言ってたのに? 一体どういう……」
 パニックに陥り、うまく言葉が出て来ない。
 するとその女性は、困ったように答える。
『……蓬田様、大変申し訳御座いません、個人情報は控えさせて頂いておりますので、他に御用が無いのでしたら……』
「いや、ちょっと待ってくれ!! 何だったけ? 上司の名前……。よ……し? 吉岡? そうだ! 吉岡だ!! 確か一緒に出張していた吉岡さんって居ただろう? その人に代わってくれないか?」
『……どの部署の、吉岡でしょうか?』
「だから!! 桜井と一緒に同行した、吉岡って人だよ!!」
 俺が物凄い剣幕で言うと、女性は困惑したのだろう、少しの沈黙の後に
『――只今お調べしますので……少々お待ちください』
 そしてまた保留音が鳴る。
 苛立つ気持ちを抑えながら、オルゴールの音が切れるのを待つと、またも先程の女性の声がした。
『お待たせいたしました、蓬田様。プロジェクト本部、第一課の吉岡次長で宜しかったでしょうか?』
「ああ、多分その人だ。代わってくれ」
『大変申し訳御座いません。吉岡次長は、只今会議に入っておりまして、電話に出る事が出来ません。ご用件をお伝え致しますが……』
 その答えに舌打ちをする。
 電話では埒が明かないと思った俺は
「いや、いい!! その会議はいつ終わるんだ?」
『はい、11時30分を予定しております』
「分かった! 直接話を聞きに行くと伝えてくれ」
『はい? え? あの、直接来られましても、当社では……』
 女性社員が何か言っていたが、俺はお構いなしに携帯を切り、身支度を整え車に乗り込むと、アクセルを目一杯踏み込んだ。



                    ――to be continued――


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――いつまでも ずっと――<1>

 

 隼人が海外出張してから、早、一週間が過ぎた。
 その間、電話はおろか、メールすら隼人から届いていなかった。
 俺は隼人が慣れない海外で疲れていると思い、俺から連絡するのも控えていた。
(でももう、流石にメールくらいしてくれても、いい頃だよな……)
 連絡が無い事に少々不満を抱きつつ、俺はパソコンの電源を入れて、立ち上げるとメールチェックをする。
 しかし新着のメールは届いていなかった。
 予定が延びたのかと思い、もう少し様子を見る事にする。
 パソコン電源を落とし、溜め息を吐くと、俺は隼人の部屋に入った。
 隼人の匂いと、煙草の匂いが残り香で漂う室内で、衣服を脱ぎ捨て下着になると、隼人が居ない広すぎるベットに潜り込んだ。
(早く帰って来いよ……)
 携帯を握り締め、メール画面を開き、一言「帰ったら何食べたい?」と、打ち込み、送信しようとボタンに指を置く。
 しかし、女々しい感じがして、そのまま画面を閉じた。
 寂しさで胸が押し潰されるのを堪えながら眠りに就く。

 それからまた三日が過ぎようとしていた。
 前に打ち込んだメールを、結局、次の日に送信してみたが、一向に連絡は無い。
 暇さえ有れば、携帯やパソコンのメールチェックを行なっていたのだが、流石にここまで連絡が無いと不安を覚えた。
 もしかして先に実家に行ってるのかと考えてみるものの、思考が堂々巡りするだけで、解決策が見つからず、本人に電話してみる事にする。
 まずパソコンを立ち上げてから、現地の時間を確認し、昼休み中なのを確認すると、携帯の通話ボタンを押した。
 しかし、電源が切られているとアナウンスが流れた。
 まだ現地にいるのか、それとも……。
 実家に電話してみようか? と思い、携帯の住所録を開く。
 だが、なかなか通話ボタンを押せないでいた。
 それと言うのも俺は、隼人の両親に隼人と一緒に住んでいる事は、言っていなかったからだ。
 前に儀父母がこちらに遊びに来た時は、隼人の借りている部屋が、社宅の独身寮で狭いという事にして、ホテルに滞在させていたらしい。
 その話を後から聞かされて、このマンションに呼べば良かったのにと言うと、荷物の移
動が大変だからと言われた覚えがある。
 流石に隼人も、両親には言えないで居たのだろう。
 俺達は義兄弟とは言え、一緒に住む理由が無い。
 金銭的に余裕が無いとか、そういった理由があればすんなりと言えるのだろうが、隼人は大企業のエリートサラリーマンだ。それなりに高収入だと思う。
 俺は俺で、生活するには充分な収入を得ている。
 まあ、俺が金銭不足だと言えば済むのだろうが、そう言うと隼人の両親はいい思いはしないだろうし、隼人が金銭不足だと言えば心配するだろう。
 自立している大人の男同士が一緒に住むのには、それなりに勇気が要るものだ。

 躊躇したものの、意を決して、隼人の実家に電話してみる。
 緊張して握った携帯が、微かに震えていた。呼び出し音が2、3回鳴ると、義母が電話口に出て少し焦ったが、俺は普段の調子になるように話した。
「あ、今晩は、蓬田です。ええ、お久しぶりです、元気にしてますよ。いえ、別に大した用じゃないんですけど……ええ、そうですね。あ……隼人は何か言ってませんでした? ああ、そうですか……。いえ、麻里と晴の墓参りしたいって言ってたもんですから。ええ、元気そうでしたよ。たまにはこちらにも遊びに来てください。はい、じゃあ……」
 話を終え、通話ボタンを切ると溜め息を吐いた。
(実家にも居ない……。それにお義母さん、隼人が海外出張に出てる事も知らないみたいだったな……。隼人、本当にどうしたんだろう……疲れて連絡しないだけなのか……?)
 俺は急に不安に駆られ、隼人の勤め先に連絡してみる事にした。
 土曜の夜で、半ば無駄な事だと思いながらも、携帯を手にし、コールする。
 呼び出し音が一回鳴るとすぐに機械音のアナウンスが流れ、やはりなと、俺は溜め息を吐きながら携帯を置く。
 落ち着かない俺は、またパソコンのデスクに向かい、電源を入れた。
 ここ最近テレビのニュースや、ネットのニュースをチェックしていたが、飛行機事故や海外の邦人の事故などは特に無かった。
 そしてメールチェックをもう一度してみるも、相変わらず新着のメールは無い。
 天井を仰ぎ、深い溜息を吐くと、椅子の背凭れに寄りかかりながら、月曜までに隼人と連絡が付かなかったら、会社を休み、隼人の会社に連絡して詳細を聞こうと決意した。



                      ――to be continued――

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放置プレイですみません><;;;

今晩は、お久し振りです^^;

広告が表示されていて、もう一ヶ月以上放置していた事に気が付くダメっぷりで、本当に申し訳ないです><

これからは更新頻度がぐんと下がると思いますが(書き溜めたものも底を尽きたので)読んで頂けたら幸いです。

作者自体、この話の終わりが見えていないので(正確には終わりは見えているんですが、キャラがどう動くかがまだハッキリ見えていないのが現状です)ものすごーくまったーりお付き合い頂ければ、と思います^^;

では、涼太編、――いつまでも ずっと―― 一話目の再開したいと思います。

それとは別に、小説家志望の方で最近書いたSSを、おまけとして載せておきます。
ちょっと簡単に説明させて頂きますと、同士の方が月ごとに決まったお題を提示されまして、それに沿ったSSを書くというものです。
詳しくはリンク先の「萌えろ! 不女子」のカテゴリの「お題」に掲載してますので、良かったら覗いてみてください^^


それでは、おまけSSをどうぞ~^^*


**************************************

 ――夢でも――  


 
 愛しい相手が微笑んでいた。
 ずっと逢いたくて、逢いたくて――だけど、その願いは叶えられないと思っていた。
 嬉しさが溢れ出し、俺は駆け出していた。
「……涼太」
「お帰り、隼人」
 真っ黒な瞳で見上げるその頬に触れようとして、目が覚めた。
 何の変哲も無い無機質の天井が目前に広がる。
 ――夢、か……。
 俺は落胆の息を漏らし、ゆっくりと周りを見回した。
 またどこかのホテルに移動させられたのだろうか、眠りに堕ちる前とは部屋の様子が違う。
 そしてまだ人の温もりが残ったシーツの隣に、奴の姿は無い。
 安堵の息を漏らし、思うように動かない身体を必死に動かして、上体を起こした。
 すっかり伸びきった髪が邪魔で仕方が無い。俺はその邪魔な髪を耳にかけて小さく息を吐く。
 開け放たれた窓からそよぐ風が、カーテンを揺らしている。
 ぼんやりとそれを眺めていたら、ドアをノックする音が聞こえた。
 返事なんかしなくても、あいつは勝手に入ってくる。ドアノブがガチャリと音を立てた。

「あ、起きたんだ……じゃなくて、起きたんですね? 桜井様」
 花瓶から溢れるほどの真っ赤な薔薇を抱えながら、坂上はそれをサイドテーブルに置いた。
 むせ返るほどの匂いに、吐き気すら催す。思わず手で口と鼻を覆った。
 俺のそんな態度を気にもせず、坂上は口を開く。
「吉岡様は、もう日本に戻られましたよ。代わりにこれをって」
 こいつと話をするのさえ忌々しい。
 あの吉岡とどんな関係か知らないが、陳腐な主人様ごっごもいい加減にして欲しいものだ。
「……要らない」
 一言話して、俺はまたベットに横になった。
 たった数分、起きているのさえ辛い。じっとりと嫌な汗が額を伝う。
「そんな我侭、言わないで下さいよ。せっかく吉岡様が用意してくれたのに」
「……あいつが帰ったんなら、そんな気持ち悪い言葉使いするなよ」
 坂上はフと鼻で笑い「それもそうだな」と呟いた。
「なぁ、桜井。折角、晃さんが用意した花だ。見るくらいしてやったらどうだ?」
 あの吉岡が用意したと思えば、余計に気分が悪くなる。
 そう思いながら返事をせずにいると、坂上は舌打ちした。
「あのさぁ。お前、自分の立場分ってんの? あんまり酷いとさ、キタローがどうなるか知ってるよな?」
 坂上の言う『キタロー』――俺の恋人だった涼太の事だ。
 坂上と俺と涼太は、高校で最初の一年だけの同級生だった。『キタロー』は片目だった涼太に付けられたあだ名だ。
 涼太と俺は十年という歳月を経て、事故で逝った妹に説教されてやっと互いの気持ちに気が付き、それから付き合うようになった。
 だが二人でいた幸せな時間は、吉岡晃という俺の上司だった、いかれた狂人によって引き裂かれた。
 吉岡は坂上とは、どうやって知り合ったかなんて知らないが、変な巡り会わせで再会する事となった。涼太の事を馬鹿にしていたこいつとは、出来れば一生会わなくても良かったくらいだ。

 坂上は大きな溜息をわざとらしく吐き、言い放つ。
「晃さんも、どうして桜井なんかに入れ込むかなぁ」
 それは俺が聞きたいくらいだ。
 俺を薬漬けにして、坂上を下僕のように扱い世話をさせるなんて、全うな人間のする事じゃない。
 そんな奴に見初められるなんて、涼太がいなかったら今すぐにでも命を絶ってしまいたいくらい、屈辱意外の何者でもない。
 拉致されてからもう、どれくらい経っただろうか。薬のせいで記憶が曖昧だ。
 それにしても吉岡は、何の目的で坂上を囲っているのだろうか。俺だけがいればいいと常々口にする吉岡の思考回路が、全く理解出来ない。 
「お前がいるのにな」
 疑問が口を付くと、坂上の顔色はみるみる赤く変化して行く。
「うるせぇ! 俺だってそうなれば良かったと、何度思ったか分んねぇよ!!」
 嫉妬に歪んだ顔を向けて、花瓶の薔薇の花を数本握ると、俺に投げつけた。それでは気が済まなかったのだろう、更に言葉を続ける。
「お前はいいよなっ!! 何もしなくてもただ居れば良いんだもんなっ!! 俺だってもっと綺麗に産まれてたら、こんな惨めな思いなんかしなくても良かったんだっ!!」
 息を荒げ、その三白眼の瞳には薄らと涙を滲ませていた。
 だが同情なんて微塵も起きない。代われるものならいつでも代わってやる。そう言ってやろうかとも思ったが、ただ煩く吠え立てるこの男が、早く部屋を出て行けばいいと思っていた。
 布団に潜り込み、無視する事にした。その途端、体中が軋み喉が異様に渇き、そのうち悪寒が起きて全身がガタガタと震えだした。
 ――くそ、まただ。禁断症状が……。
 抑えられない発汗をどうにも出来ず、パジャマがじっとりと濡れてしまう。
 それに気が付いたのだろう、坂上は
「……今、打ってやるから。ちょっと我慢してろ」
 そう言って部屋を出て行った。
 
 もう絶望しかない。抗う事も出来ない――。

 涼太、お前はこんな俺を笑うだろうか。
 お前を護ろうとして、だらしなく堕ちた俺はもう、人としての尊厳すら失ってしまったようだ。
 
 それでも――――。
 お前に逢いたい。この手でお前を抱きしめたい。
 それがもう、叶わないと事だとは知ってる。
 だから夢でも、お前に逢えて良かった。
 約束、守れなくて……本当にごめんな、涼太。
 もうこんな俺の事は忘れて、幸せになれよ――――。

 
 FIN

**************************************


これはですね、隼人が拉致されて結構経ってる話になります。

話自体が痛いからでしょうかね、今までは割に感想をいただけたのですが、これにはコメントが主催者様しか入ってなかったというwww
まあ、単に私の筆力不足なんですがね。

ということで、楽しんでいただければ幸いです。

☆追記☆

そういえば、こちらには晃のイラスト載せてませんでしたね^^;
晃はこんな顔してます。

晃 画像

そしてこの頃の隼人はこんな感じになってます……。

隼人比較



あくまで私のイメージなので、お好きに想像して下さい☆
ではでは^^

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